インドネシア校外実習 2016
- raisemnar
- 2016年9月21日
- 読了時間: 13分
2016年9月1日~12日まで、私たち14KS生はインドネシアに行きました。
今回の校外実習のために、現地の大学で行うプレゼンテーションの練習や、賴ゼミ12KS生の勝村さんによるインドネシア語学習など、1月末から事前準備をしてきました。
12日間という短い期間でありながらも、インドネシアの人々との交流やインドネシアでの生活を通して、5感でインドネシアを感じることができました。この体験は、日本で生活しているだけではでき得なかったことだと思います。
下記は、随所でゼミ生が校外実習を通して肌で感じたことや、それに関する考えをまとめたものです。気飾らないリアルな体験ばかりですので、ぜひご覧ください。
◎リントンでの暮らしについて(笹原)
リントンでの生活は子供達の笑顔が忘れられません!! 到着したその日から最終日まで子供達は私達のところへ毎日集まってくれて、一緒に折り紙や体を動かして思う存分遊びました!!(笑) リントンの子供達は、兄弟とか関係なく地域のみんなで小さい子の面倒をみていて、日本にはなかなかない光景だなと心温まりました。子供達はいつも笑顔だったので、私達も常に笑顔でいられました。snowで遊んでいるときが一番テンションが上がっていてかわいかったです(笑) 私達はバタック語がほとんどわかりませんでしたが、それでも楽しく過ごせましたし、教えてもらったバタック語を使ってコミュニケーションがとれたときはとても嬉かったです! また、ホストファミリーもとても優しく迎えてくれて嬉しかったです。私の家は毎日飲料水をくれたり、シャワーのためにお湯を沸かしてもらえて最高のおもてなしをしてくださいました。私が不自由ないよう気にかけてくれて、人の優しさを見に染みて感じることができました。 その他にもリントンの小学校や幼稚園、看護学校の生と達とも関わることができました。私達はまるで芸能人のような感覚で、常に囲まれ、握手をしたり写真を撮っていました(笑)日本人というだけでここまで歓迎されると思ってなかったので、驚きました。小学校や幼稚園で私達が折り紙や紙芝居をしている最中、子供達はみんな真剣に取り組んでくれて本当に素直な子供達ばかりでした。 看護学校の生徒達は私達と年齢がほぼ一緒でした。ここでも芸能人のように歓迎してくれました(笑)みんな日本にとても関心をもっていて、たくさん質問をもらいました。なかなか深い質問もされたので、ここまで日本に関心を持っているとは思ってもいませんでした。また、おもてなしで披露してくれた歌が本当に上手でした(笑) バタック族のダンスも教えてくれて、一緒に踊れて楽しかったです(笑) リントンでの生活はバタック族の温かさを多く感じることができました。また、コミュニケーションは言語だけではないことも同時に学ぶことができました。 ここでの生活は絶対に忘れません! P.S 私達はリントンコーヒーPRのために浴衣を着て、ドローンを使った動画撮影をしました。結構本格的です!ぜひ見てください(笑)
◎コーヒー組合について(関口)
今回訪問したスマトラ島の北部に位置するリントンのナガサリブ村ではコーヒーの生産が盛んです。皆さんが通常日本で飲むようなコーヒーを生産しています。更に知っている人もいるかと思いますが、ジャコウネコを利用したコーヒーの生産も行なっています。ジャコウネコにコーヒー豆を食べさせ、フンとして出てきたコーヒー豆からコーヒーを作る生産方法です。ジャコウネコの酵素の働きでコーヒーがフルーティーな味に変化します。しかし、ジャコウネコを保護するために、強制的にコーヒー豆を食べさせるようなことをせず、自然状態でジャコウネコがコーヒー豆を食べるのを待つ生産方法のため、大量生産はできません。高級なコーヒーを生産していますが、少量しか生産できないうえ、皆さんがコーヒーショップで飲む値段の約5%しかコーヒー農家の収入にならないため、都市部と比べて経済的に豊かな暮らしをしているとは言えない印象です。
弱い立場のコーヒー農家を結束させ、共同で焙煎作業やパッケージングを行うためのコーヒー農家組合がナガサリブ村にあります。このコーヒー農家組合は重要な役割を果たしています。なぜなら、コーヒーの焙煎作業やパッケージングには高価な機材が必要となり、個々のコーヒー農家で独自で行うのは困難だからです。この組合では努力が認められ、公的機関からコーヒー出荷に必要な機材の贈与を受け、作業を行なっています。
次に、組合で行われている作業を紹介したいと思います。まず、コーヒー豆を収穫し、天日干しにします。その後、コーヒー豆の周りについている殻を取り除くため、臼で脱穀し、ザルに移したコーヒー豆を転がしながら、風で殻を飛ばします。なかなか、神経を使う作業です。コーヒー豆の殻が取れたら、コーヒー豆の選別を行います。コーヒー豆の中で周りの豆と比べて小さい豆や黒ずんでいる豆、欠けてしまっている豆を取り除きます。焙煎した際に、それらの豆だけが焦げてしまい、苦味の原因になるからです。コーヒー全体の味を落とさないために、豆の選別を行います。選別は機械でできないため、大変な手間をかけて焙煎していることが分かります。選別の後に、焙煎します。通常は機械で行うようですが、今回は手作業で焙煎する作業を体験させてもらいました。火鉢に炭火を炊き、その上で豆を焙煎させます。豆が茶色に変化し、パチパチと豆の弾ける音がしたら、焙煎できた証拠です。その後、ミルで挽けば、コーヒーが飲める状態になります。
このコーヒー農家組合の最も注目すべき特徴は、組合が生産するコーヒーのPR活動を大々的に行っていることです。リントンはコーヒーの生産地として有名ですが、インドネシア国内のみならず、世界的にリントンのコーヒーを宣伝したいという組合リーダーの思いのもとYouTubeにコーヒーのPR動画を載せています。PR動画撮影のために、一眼レフカメラやビデオカメラ、ドローンといった高価な撮影機材を使用していました。個人でこれだけの高価な撮影機材を揃えることは困難です。組合があるからこそ、個々に撮影機材を持ち寄り合い、クオリティの高いPR動画の撮影が可能になるのだと思います。僕たち頼ゼミ生もPR動画に出演させていただきました。皆さんにも是非見てもらいたいです。
◎アジア・アフリカ会議博物館について(表)
インドネシア校外実習最終日、私たちはバンドンにあるアジア・アフリカ会議博物館に行きました。アジア・アフリカ会議は第二次世界大戦終結から10年後の1955年に開かれました。当時のインドネシアの首相であるスカルノ大統領が中心となって、戦争や紛争の平和的な解決を宣言した場所です。結果的にこの会議で、アジア・アフリカ諸国において反植民地主義と反帝国主義が深く根付くことになりました。
アジア・アフリカ会議博物館では、この会議での実際の肉声や実際に会議で使われた会場、各国の言語で訳されている平和10原則のパネルを観ることができます。特に、実際に会議で使われた会場では、入場者用に座席と平和について考えさせられる映像が流れていました。映像自体は15分程で終わる短いものですが、アジア・アフリカ会議の実際の会場で平和について考えることができるというのは、感慨深い思いでした。
博物館の出口付近には小さなお土産屋さんがあり、私はそこでステッカーを購入しました。小さなステッカーですが、今後の世界の平和について考えると大きな意味を持つステッカーだと思います。
◎プレゼンテーション 地方創生グループ(坂本)
マカッサル大学にて、関口、坂本、青木、伊藤グループが、日本の地方創生についてプレゼンテーションを行いました。発表者は、関口君でした。内容としては、東京圏と地域の比較をし、勢力が東京圏に集まっていることを説明し、中央集権化が、地域の衰退を招くことを危惧したうえでどうやって、そのギャップを埋めていくか、ということです。私たちは、中央政府の理解のある援助を求めることに結論付けましたが、マカッサル大学の学生さんたちは、政府による汚職や地方の魅力化について、鋭い質問をぶつけてきました。確かに、ここの説明は甘かったなあ、というところはもちろん、まさか、というところでの質問まで様々でしたそして、まだまだ勉強不足なことが多々あると実感しました・・・。マカッサル大学の学生たちとのディスカッションによって、よい緊張感と、学習に対する前向きな姿勢、新しい角度からの視点の重要さに気が付くことができました。これからの学習に生かしていこうと思います!
◎プレゼンテーション 少子高齢化グループ(原)
ガジャマダ大学の訪問でのプレゼンテーションについて書きたいと思います。ガジャマダ大学は首都ジャカルタから1時間飛行機で移動したジョグジャカルタというところにあります。ジョグジャカルタは観光名所としても有名で、ボロブドゥール遺跡、プランパナン寺院群などの世界遺産もあります。そんなガジャマダ大学は国立大学でキャンパスもとっても広かったです。
私たちのグループ(あゆみちゃん、ありさちゃん、実奈ちゃん、私)は『日本の少子高齢化』について発表しました。前日の夜遅くまで原稿の調整を繰り返し、ぎりぎりの中で発表日を迎えました。みんな苦手な英訳大変だったな~。当日はあゆみちゃんとありさちゃんが発表者として話してくれました。私たちのグループは25分間『少子高齢化』の問題をひたすら発表するのは退屈だと思い、ユーモアを交えながらガジャマダ大の生徒さん方と参加型のプレゼンにしました。
プレゼンの内容はガジャマダ大の生徒さんに日本のイメージを質問することから始まり、日本の労働力人口、高齢化の原因、日本社会への経済的影響、これからの対策にしました。質問タイムはとても充実した時間でした。ガジャマダ大の生徒さんの質問は日本の政府の取り組みや、移民の受け入れなど日本のこと知らないと質問できないような内容だったし、英語もネイティブの発音っぽくて、、ありさちゃん、あゆみちゃん2人とっても頑張ってくれました。ありがとう(´;ω;`)
インドネシアの少子高齢化って考えられないほどで、兄弟は10人なんて普通、みたいな社会の中で、想像しにくい内容かもしれないって思ったけど、生徒さんたちはこの問題に対して深く考えてくれたみたいでした。こういうのって貴重な取り組みだと思うし、慣れない環境でプレゼンっていうのもなかなか緊張したけど、良い経験になりました!!
◎持続可能な有機栽培について(青木)
今回のインドネシア訪問では、9月5日に有機農法を基に持続可能な農園栽培を行っている北スマトラ在住の日本人けんごさんの自宅を訪れました。自宅に到着すると、けんごさんとけんごさんの奥さんが温かく迎え入れてくださり、インドネシアを訪問してからしばらく日本人と接する機会があまりなかったためか、おもてなしに和やかな気持ちになりました。けんごさんの奥さんが振る舞ってくださったお料理には、カボチャやニンジンなど、けんごさんの農園でとれた新鮮な野菜がたくさん使われていて、どれの料理も美味しくいただきました。
それから私たちは、けんごさんが自宅の裏の広大な農地で営んでいる有機農業の様子を実際に見学させていただきました。高く伸びたトウモロコシは、飼育している豚の飼料として育てているものでした。上質な飼料を食べた豚のフンは、農園の肥料として使用することで、より土の栄養分を豊かにし、実り豊かになるというサイクルは、けんごさんの農園ではごく当たり前のこととして行なわれていました。また、上質な飼料を豚に与えることで、豚の質も格段に上がることから、買い手との豚の取引は自信を持って行なっているとのことでした。インドネシアはイスラム教国家ですが、けんごさんが住む北スマトラではキリスト教を信仰している方が多いため、豚を飼育し、出荷することが可能なのだそうです。
けんごさんの農園では、化学肥料をまくことで土壌に窒素を含ませる一般的方法をとるのではなく、作物の周りにピーナッツを植えることで土壌に窒素を送り込む有機農法ならではの方法をとっていました。こうすることで、土の栄養が細くなる心配がなく、より土壌を豊かにすることができるという点においても、農業の持続可能性を感じることができました。
◎観光開発について(吉川)
インドネシアでは、バリ島は有名な観光地です。その他にマカッサルやバンドン、ジョグジャカルタはホテルも多く、綺麗なビーチのある島に行くことができたり見ごたえのある世界遺産があったりと外国人が訪れやすく、又楽しめるような観光地化が進んでいます。 私たちが訪問したリントンでは、どのような観光開発が進められていたでしょう。 私たちが訪れた・見たもので言えば、インドネシア最大の湖であるトバ湖、最高級の麝香猫コーヒー、天然の温泉、おいしい食事などなど、観光資源となるものが非常に充実しているように感じられました。また、近年新しく空港が建てられたことから、ジャカルタからのアクセスも便利になっており、観光開発を進めるに当たって申し分のない環境であると言えました。その資源を観光に活用するために、ホテルを作り観光客が訪れやすい街づくりの案が浮上しているのも事実だそうです。 ですが、リントンの人々はそのような開発を望んではいないようです。ホテルなど近代的で便利な施設を作るのではなく、私たちが訪れたようにホームステイをして、現地の方々とたくさん関わりながら村の魅力を知っていくのが理想の観光の形であると考えている様子が伺えます。確かに、私たちゼミ生はホームステイだからこそ体験できたこと、特に現地の人々との深い関係を築くことができました。 ただ、なかなかお風呂に入れなかったりトイレが日本の様式と全く異なること、眠る環境の違いなど、ゼミ生もはじめは心配していたことが多くありました。そういう体験をする事に意義があるのはもちろんですし、実際体験するとそこまで重大な問題でもないと感じるものです。しかし、観光地として本格的に歩んで行くとなるとそのような不安を抱える人が多く出てきてしまう懸念も捨て切れません。なので、現地の良さ・文化、現地の人の想い、観光客の興味と安心など、全てを考慮した地域を壊さない観光開発が必要であると感じさせられます。
◎都市と地方の比較について(伊藤)
校外実習初日、ジャカルタに1泊しました。想像していたジャカルタより市街地は高層ビルが沢山建てられており、都市化に驚きました。特に日本大使館がある近辺は、高級ブランドのお店、ホテルやデパートが並び、まるで銀座のような街並みであり、インドネシアにいるとは思えなかったです。副ゼミ長の日記によると、「バンコク>ジャカルタ>プノンペン>ヤンゴン」くらいの発展度合いらしいです。(笑)翌日私たちは、北スマトラのリントンに飛行機で向かいました。リントンの空港はまだ建設途中らしく、簡素な建物でした。ジャカルタとは、うって変わり高層ビルがひとつもなく、私たちが想像するインドネシアでした。日本だったら廃車になりそうな車、頭に荷物を乗せながら歩いている女性、裸足で歩いている子どもたちなど。
今回、数箇所の都市を訪ね、都市と農村の生活の違いが明らかに目に見えました。都市は、どんどん開発され、雇用が生まれたり、娯楽も増え、若者にとって魅力的なものに見えるでしょう。一方で、農村は畑や田んぼがあるが、それ以外あまり何もない。しかし、みんなフレンドリーで、村のみんなで村の子どもの世話をしたりして人と人の繋がりが強い気がしました。
いかがでしたか?校外実習の様子が少しでもお伝えできれば幸いです。全体的に感じたことは、今回の校外実習を通して、賴ゼミのモットーである「常識を疑う」大切さが少し理解できたことです。自分の常識だけで物事を判断していては、いつまで経っても浅い考えなままで終わってしまうということに気付けました。
今回の校外実習をただ楽しい思い出に留めるのではなく、今後の学びに活かしていこうと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。 Terima Kasih!
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